ナカ(徳島県那賀町の愛称です)を流れる清流・那賀川の下流域では、
昨日(6月1日)にアユ漁が解禁され、待ちかねた太公望たちが、
自慢の棹を振るい、香魚を狙っていました。
そんな清流の傍ら、ナカの木頭地区では、
お茶の収穫作業が終盤を迎えていました。
そんな木頭の北川地区で、お茶摘みを終えたばかりの
谷薫さん(81歳)に出会いました。
「ええやつ(茶葉)は、もう早ように取ってしもうとんよ。
いまぐらいの時期になると、ちょっと葉が大きゅうなっていかん。
もう、収穫も最後やな」
手に提げた竹カゴの中を見せてもらうと、
新茶の葉が緑色に輝いていました。
「ここらではな、
木頭茶っちゅうんやけどな、
自分とこの畑で、お茶を作っとって、
家族が一年飲めるくらいは摘むんよ」
木頭茶は、大きな釜で煎って、手で揉んで、
天日に干して仕上げるのだそうです。
「番茶じゃわな。すこぅし渋みがきいて、
油もんを食べたときや、疲れたときに飲むとスッキリするんじゃわ」
北川地区では、お茶といえば木頭茶のことで、
食事の際はもちろん、何かにつけ飲んでいるのだそうです。
「年は取ったけど、元気でおれるんも木頭茶を飲んどるからじゃろ。
また今年もいけるわ(笑)」
木頭茶をはじめ、私たちのふるさとナカには、みんなの元気のもとが、
たくさんある──なんだか、うれしくなりました。
どうぞみなさんもナカにおいでください。
そうして、みなさんの元気のもとを探してみてくださいね。
▲那賀川の上流、木頭北川地区で出会った谷薫さん(写真左)。
木頭茶の収穫を終えたばかりだったそうです。
▲茶畑の近くに建つ谷さんの自宅で、大きな鉄釜を見せてもらいました。
これで、摘み取った茶葉を煎るのだそうです(写真左)。
そうして出来上がった谷さん自慢の木頭茶を見せてくださいました(写真右)。
▲鉄の大釜で煎った茶葉は手もみし、そのあと、天日に干します(写真右)。
出来上がった木頭茶は、金属の缶に入れて、保管し、家族みんなで、一年間飲むのだそうです。
香りをかがせていただくと、甘渋い爽やかな香りが立って、
一杯飲ませていただけないかなぁ~、なんて思ってしまったのです^^)。
▲そして木頭地区といえば、ナカの特産品『木頭杉』の産地です。
谷さんは、60年ほど前に建てたというご自宅の前で、
「木頭杉はええよぅ。木目がきれいやし、香りがいいし、雨風にも強い。
何より、住んどってほっとするんでよ」と、ポーズを取ってくれました。
みなさんも、木頭杉の家を建ててみてはいかがですか?